こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

テイクアウト

交差点で信号待ちをしているとき
隣に手をつないだ親子連れがいて、
シュッとした身なりの若いお母さまと
5、6歳の男の子だったんだけれども
この男の子がもうこの世の終わりみたいに泣いていて
というか泣くを通り越して
ほとんど呼吸困難になってる。
 
よっぽど叱られたんだろうなあ、と思いつつ
彼が猛烈なしゃっくりをはさみながら繰り返している言葉に
耳をそばだててみたら、
 
「おもちかえりで、いいですから。
 おもちかえりで、いいですからぁぁ~」
 
(爆)
 
おそらくだけど、お菓子とか…
いや、マックだな。
横断歩道を渡った斜め前にマクドナルド見えてるもんな。
家に帰ったらすぐごはんなのに寄りたいと言いはって
お母さまからダメが出た、みたいな状況か。
 
周りの人たちの肩が震えはじめるなか、
お母さまは至って冷静な声で、
 
「お持ち帰り「で」いい、っていう言い方はないんじゃないでしょうか」
 
ブレのない指導を受けた男の子はダメ押しの、
 
「お、おも、おもちかえりが、いいですからぁぁぁ~!」
 
こんなことで大泣きできる子供時代の幸せを
この子はいつか思い出すのかな、とか思ったら
笑いながら鼻がツンとしてしまった。