こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

サドゥンリスィッモァ〜

映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』。とびっきりのB級映画。想像を越えた面白さでした。疲れ果てた下町、スキッド・ロウにある一軒の花屋。店員の青年シーモア(リック・モラニス)は、優しいけれど気の弱い、さえない青年です。ところがある日、彼がみつけたひと鉢の不思議な植物「オードリーII」を店頭に置いてみるとお客が殺到、あれよといううちに店は大繁盛に。しかしこの植物、実は数日前の皆既日食の日に地球へやってきた吸血エイリアンだった…。先日、舞台版のお話を伺ったときにラストは悲劇と聞いていたので、ハッピーエンドで終わってあら?と思ったのですが、舞台と映画ではラストが違うんだそうです。「舞台なら悲劇で終わってもカーテンコールで役者が笑顔で出てくれば救われるが、映画はよりリアルなうえにそれができないから」ラストを変えたんですって。なるほど。ハッピーエンドでよかったと思う、だってシーモアとオードリー(エレン・グリーン)には幸せになってほしいと観ていて心底思ったもの。シーモアは憎めなくて応援したくなるし、オードリーがまた実に優しくていい娘なんだよねえ。ふたりがたびたび絶唱する♪Suddenly Seymour〜、のナンバーが妙に感動的。オードリーがなかなか別れられないサディストの彼、過剰に歌い踊るこの歯医者さんを演じているのがなんとスティーヴ・マーティン。衝撃!そういわれればその鼻は!その動きは!髪型がここまで違うと全くわからないや。そもそもこの作品は1960年に、違う映画のセットを壊す前に「ついでに1本撮っとこ」な乗りで2日3日で仕上げたストレート映画。その映像をかいま見てみると、スピード撮影なにするものぞ。歯医者のお客にまだ駆け出しのジャック・ニコルソンが。若い!