こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

SNS


このあいだ
映画「ソーシャル・ネットワーク」を観てきて、
ある意味、SNSの王道を踏んでるmixiについて
いろいろ納得しました。
たとえば「招待制」っていうのは
誰かとつながってる人しかいないはずだから安心、
というだけじゃなくて、
入ってるひとの「特権意識」をくすぐる目的もあったんですね。


マーク・ザッカーバーグ
あの「Facebook」の生みの親。
このハーバード出のオタクの若者が対峙している2つの裁判を
2本の針金のように張って描かれるのは、
古今東西、すべての「元・若者」が通ってきた
若さゆえの獲得と喪失です。
マークを演じたのは「ヴィレッジ」の
ジェシー・アイゼンバーグ


ザッカーバーグ。アイゼンバーグ。バーグつながり。


いま「ヴィレッジ」の、って書いたけど、
ごめんなさい、もっかい「ヴィレッジ」観ないと
どの役だったか覚えてないです。
まだ子供だったのかなあ。
見飽きない、かわいい、おもしろい顔してるよね。


デジタルに強いか弱いかと言われたら
私なんかほぼアナログ側の人間なので、
100のうちいくつわかるだろうと不安に思いながら
映画館に行ったけど、
物語の本筋は結局「アナログ」だった。
たぶん、91くらいは“伝わって”きたんじゃないかな。


素材が「Facebook」じゃなくてもいい。
政権争いでも、竜馬の作った海援隊でも、
ショービジネスの浮き沈みでも成立する、
才能をもてあました若者が突っ走って、
あとから、なくしたものに気付く
古今東西普遍の物語ですよね。


でも、主人公の造形が新しい。


あいまいの権化みたいなマーク。
人とのコミュニケーション能力に問題ありの彼が
今世紀最大のコミュニケーションツールを生み出す。


だけど、
何時間もぶっとおしでコードを書き続けられる彼も
自分のことはよくわかってないんだよね。
自分がほんとうは何をしたいのかとか、
ほんとうは誰がいちばん好きで一緒にいてほしいのかとか、
今、さびしいんだとか、
そういうことすらよくわかってない。


裁判に立ち会ってくれてる駆け出しの女性弁護士だけが
彼の素朴な内面を見抜いて


「あなたは悪い人間じゃない」


って言ってくれる。そのとき、
無表情ながらそれでもちょっとホッとしたような
空気を醸し出すマークに、ぐっときた。



それにしても、
ノンフィクションに基づいてるってことは
この物語がはいまだ現在進行形であるわけでしょー。
だいじょぶなの、元ナップスターの彼とか(笑)。
裁判で敵対することになったかつての親友、エドゥアルドが
今もCEOだっていうところとかも
すごく、すっごく興味あるなー。