こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

カレンダー・ガール

映画『カレンダー・ガールズ』。
イギリス、ヨークシャーの田舎町が舞台です。


平凡な毎日。
丘の上の太極拳もどきとか、
バザーでの出品コンテストとか、
ブロッコリーの育て方くらいしか話題のない婦人会に
あきあきしていた主婦たち。
ひとりの主婦・アン(ジュリー・ウォルターズ)の夫が
白血病で亡くなります。
お世話になった病院に、お返しにソファーを贈りたいという
アンの願いを聞いて、
親友・クリス(ヘレン・ミレン)は、
とんでもない資金集めを思いつきます。


毎年恒例の婦人会カレンダー作り、これをヌードカレンダーにすること。


しかもモデルは、この田舎町の主婦たち!


この女性版『フルモンティ』のような物語は、
1999年に実際に起こったできごとを元にしています。
一躍有名になった彼女たちは、ついにハリウッドに呼ばれるまでに。
ところが、だんだんひずみが生じていた彼女たちは
ついに感情を爆発させます。
注目されたがためにゴシップによって家庭が壊れかけているクリスと、
夫の追悼からどんどん離れて大きくなっていく話に疑問を覚えるアン。


「なによあなたなんか、世界中の白血病関係者の人生相談にでものっているつもり!」
「あなたの夫は生きてるのに、それを置いてハリウッドに来るなんて!」


ふたりの気持ちはとても痛いのに、
がらんとしたスタジオの裏でバスローブ姿で言い合っている絵は
なんだかおかしい。
厳しいのに笑える、それがブリティッシュスタイルです。


丘の上での太極拳もどきの場面はとても素敵です。
やってるそばから
「ねえ、終わったらポテト食べない?」「食べよう!」みたいな
ダメさ加減がとっても愛しいおばちゃんたち。
撮影秘話を読んだら、イギリスのシーンは、
柔らかさを出すためにカメラにストッキングをかぶせて撮ったそうです。