こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

マジカル

渋谷に出るのに裏道を抜けたら、ビル裏の植え込みに猫がいました。黒ぶちの、『キャッツ』でいうとミストフェリーズみたいなルックスの猫です。目があったらついてきた。うーん。こういうとき、通りすがりの気まぐれにごはんをあげたりしてもかえってよくないんだよね。そうは思ってもなんだかどうにも気になってしまい、近くにスタバがあったので牛乳を買いました。まだいたらあげればいいし、いなかったら自分で飲めばいいや、と思いながら戻ってみると…ちょうどいま誰かしらがあげたと思われるごはんを食べてるじゃないの。ちゃんと猫用の固いやつをカリカリ。なんだ、このへんの人間と契約があるんじゃないか。考えてみれば吹きっさらしでおなかをすかせている猫とは思えないほどふくふくしてるもんなあ。そんなおまえの手練手管にだまされてこんな散財を…とミルクの入ったカップを見せてやったら、「それも飲ませろ」という顔をされたので、ふたに入れてあげました。それはそれで美味しそうに飲んでいるのを眺めつつ、隣で残りの半分を飲みました。だまされるのもそれほど悪くないものだと思いました。