こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

ボウイ

昨日、デヴィッド・ボウィの訃報を聞いて
反射的に思い返した「どうでもいいこと」が
3つあるので、書いてみます。
  
1)峰ちゃんがDB好きだったな
2)戦メリ
3)あの香港映画…
 
 
  
峰ちゃんというのは
小学校からの幼馴染で、
ガールスカウトとかでも一緒だったので
なかよくしてもらっていて
もうひとりのともだちと3人で
まわしノート(懐かしい)とかをしていたのだが、
まだこどもなのに
デヴィッド・ボウイとかレイフ・ギャレットとか
そういう感じのことを書いてくれてて
うわー峰ちゃんて大人だよなあ…って
リスペクトしてました。
 
 
  
映画「戦場のメリークリスマス」は
音楽含め、どうやっても
「人生で衝撃を受けた映画ベストテン」に
入るんだけども、
好きな場面をひとつ言えといわれると
ラストでたけしさん演じるハラ軍曹に
「ローレンス!」って呼ばれて振り返ったときの
トム・コンティの表情に尽きると思っています。
正直、ヨノイ(坂本龍一)とセリアズ(ボウイ)のくだりは
子供にはキツすぎて、
あんまり好きにはなれなかった。

なにより、
セリアズが抱え続けているトラウマが重すぎた。
ハンディを負った弟がいて、
若いころ、自分を守るために一度だけ
彼を「見ないふりした」自分を
セリアズは許していない。
彼の頭のなかにはいまでも
弟があのきれいな声で歌う
「Run, Run through the night...」っていうメロディが
流れているけど、彼はそれに
癒されてたのか追い込まれていたのか。
なんかそういうこと含め
いまだに正面から受け止められてない。
自分が情けない。
 
  
それで、2年前に
東京映画祭で観た香港映画
「ミッドナイト・アフター」っていうのがあって
これがどこからどう説明したらいいか
わからないような映画で、
ある夜、一台の深夜バスに乗り合わせた乗客たち、
あるトンネルを抜けたら
その乗客以外の人間はすべて
地球上から消え失せていた…
みたいなパニック系。
 
なのに
 
「えっ…ドルで…?」
「いやウォンです」
「(爆)」
 
みたいな会話とかもあったりして、
タイトルとあらすじから想像しうる
すべてを凌駕する展開ののち、
大風呂敷を広げるだけ広げて
なにひとつ回収しないで終わる。
見る側がパニックになる映画、という意味でも
清々しいほど笑えた
おすすめ映画なんですが。
 
ちなみに、主人公の男の子がときどき
もうすぐKAT-TUNをやめてしまう
田口くんに似ている。悲しい…
 
で、その映画の途中、
生き残ってる人たちが
つかの間の平穏のなかで情報を提供しあう、
みたいな場面で
ひとりのヲタク青年がマンキンで披露する曲が
デヴィッド・ボウイの
 
「スペース・オディティ」

です。

宇宙に派遣されたトム少佐。
宇宙から見る地球。
彼と管制との通信が綴られているうち、
それが、だんだん遠くなる。
 
聞こえますか
聞こえますか
聞こえ…
 
 
僕はブリキ缶の上に座ってる。
 

そして
 

とても 
 
 
 

無力だ。
 
 
 
 
 

のちに、デヴィッド・ボウィは

「みんな宇宙飛行士の悲しい話っぽく思ってるっしょ?
 あれジャンキーの歌だからね」
 
とか言ったらしいけど(笑)、
どっちにしたってさ、
とてつもなく孤独だってことに
かわりないんだよね。
 
そういうことを、
昨日からときどき考えています。
 
 

デヴィッド・ボウイがいない地球は、
彼がいたときより
急激に、さびしくなったなあって思う。