いまを生きよ
映画『ミッドナイト・イン・パリ』観てきました。
今日も今日とて鼻の傷が色っぽい
オーウェン・ウィルソン。
表情豊かな彼のリアクションに連れられて、
真夜中のパリを時間旅行、
レザネ・フォール、そしてベル・エポックへ!
オーウェン演じる主人公のギルは
若くして成功した脚本家だけど、
ほんとうは小説家になりたい回顧主義者。
美人のフィアンセと一緒に、
彼女の両親の「出張」に便乗して
パリにやってきたものの、
価値観の違いから終始浮きっぱなし。
レストランで食事をした帰り、
酔ってひとりホテルへ戻ろうとして道に迷い
裏路地でヘタレていると、そこへ
1台のアンティックな車がやってくる…。
フィッツジェラルドの巻き毛。
ヘミングウェイがヘミングウェイ。
ダリ爆笑。
マン・レイとブニュエル。
小柄でキュートなロートレック。
そして探偵さんがとても心配(笑)!
鼻持ちならないウンチクアメリカ男が
『フロスト×ニクソン』のハンサムインタビュアー、
マイケル・シーンだったなんて〜。
女性たちも魅力的です。
モダンなドレスとちっちゃなバッグがお似合いのコティヤール、
知的で足の長いマダム・サルコジ(笑)、
ムカつくブロンドを演じきったレイチェル・マクアダムス。
ある意味ファム・ファタルな古道具屋の少女、
レア・セイドゥ、いいなあ。
雨のパリを濡れて歩く姿に、
先週観た『ローマの休日』の王女さまの夢を重ねて
ちょっとせつなくなったです。
ちょっとくたびれて神経症的な大人の部分と
子供みたいに素直な感性の両方を持ったギルが、
憧れの先人たち、そして美女たちとの
めくるめく出会いに彩られた数日を通して、
もし自分があの時代に生まれていたら…なんて
どうせいつの時代に生まれたって思うこと、
それより、自分の生まれた時代を
自分の足で自分らしく歩いていくことがだいじなんだって、
自ら気づくところが素晴らしい。
とにかく、すべてにうっとりしすぎて
うまく言葉になりません。
ありがとうウッディ・アレン、としか言いようがない。