こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

パンク侍

日帰りで関西。
購入したチケットは「1day京都」。


京都でおりて、在来線に乗り換えてまずは大阪へ。
梅田で「デッチーくん」に出迎えられる。
パン屋さんの営業部で働いていたとき、
浅くもなく関わった大丸の「デッチーくん」懐かしす。



てか「デッチーくん」だらけ。



千日前に出て、かねてからの憧れだった「わなか」で
たこやきを食します。



…うまいやないけ!


そして、西梅田サンケイホールブリーゼ
今回のメインイベント『パンク侍、斬られて候』、観劇です。



原作、町田康
脚本・演出・主演は、日本で十指に入る素敵ハゲ役者、
山内圭哉(やまうち・たかや)。


この世界は巨大な回虫の体内であると考え、
そこから抜け出して真の世界に「解脱」するために集団でアホになり腹をふる
新興宗教「腹ふり党」。
現れた場所は必ず壊滅してしまうという。
この集団を駆逐するかわりに召し抱えてくれと、
とある藩に現れた浪人、掛(山内)だったが———。


なんというかですね。
常に傾(かぶ)いているわけですよ、山内圭哉という役者さんは。
軽妙な関西アクセントとがっつりした体型。
そして非常にセクシーで美しい顔立ち。
人間の目鼻って、あんなにくっきりしていていいものなんでしょうか。


中山祐一朗くんは時代劇でもメガネ男子だし、
福田転球さんは途中から壊れるし、
梶剛さんは大真面目に「猿」の役だし。


っていうか腹ふり党って…。


シモ&アホ連発でさんざん笑わせてもらったその最後に、


「こんなしょうもない世の中でも、譲れないことがある」


という強烈なラストシーン。
そんで、よくよく目をこらせばいろんなパーツが
今の世をうつしているという、その鋭さ。


ちなみに、パンフで圭哉くんがこんなことをいっています。


東京が憎いわけやない。
大阪で喰える舞台がないことが憎い。


この一文を読んで、
ああこの芝居を、本多劇場でなくわざわざサンケイホールで観た贅沢は
ただの贅沢じゃなかったなと思えたのと、
あと、私は幸運にも「好きなことを仕事にする」ことができたはずなのに
向き合えば向き合うほど食べられなくなって
今やトリプルワーカーで
いつ体力がおいつかなくなるのかびくびくして
いつもくたびれてるのはなんでやねん!…みたいな。
そんな、人様からみれば
ただうっとおしいだけのモヤモヤをどうにかしたくて新幹線に乗ったことを
「まあ、いまはそーいうときやん」と許してもらった気がして、
夕暮れに立ち寄った京都・四条大橋の上で、


まだまだ〜!


…と吠えたのだった(心の中で)。