こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

ずら〜

歌舞伎の口上が好きです。
その月に出演する役者さんたちが上手から下手までずらりと並んで
次々とお祝いの言葉をのべるのですが、
これがまあ、どんだけキャラクター揃いなのかと。


先月、中村信二郎さん(通称しんちゃん)の錦之助ご襲名祝いにて。


「えー」連発の仁左衛門さん(通称ニザさま)とか、
頭の後ろから声がでてるっぽい我當さん(通称ガトー・ド・マツシマ)とか、
妙にマカロニウエスタンな門之助さん(通称もんちゃん)とか
魅惑のくねくねトーク炸裂の福助さん(通称えいちゃん)とか
そんなのが上手から下手まで、ずら〜。


しかし、みんな口々に、
まだ顔も覚えられないくらい幼い時分に
お父上である先代の時蔵さんを亡くして、
信二郎さんと兄の現・時蔵さん(通称とっきー)が
どんなに苦労して、どんなに努力してきたか、
だから今回の襲名がどんなに嬉しいことかっていうのを
異口同音に語っていて、
聞いていてちと胸がつまりました。


複数の証言により真実だと思われるのだが、
小さい頃の信二郎さんはとてつもなくやんちゃで
手がつけられなかったそうです。
今の、すーっとした端正なルックスからすると意外な気もするんだけどね。
信二郎さんの長男、隼人くんが、いま高校生くらいなんですかねえ。
これまたたいそうパパ似のクールなイケメンなんですが、
とすると彼も舞台裏ではやっぱりやんちゃなんだろうか。
まあ、梨園の男の子ってみんなそんな感じなのかもね。