こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

綜馬節全開

鈴木綜馬さんのライブ『音一会Vol.2』を聴きに、品川プリンスのCLUB eXへでかけました。音一会は「おといちえ」と読みます。品川教会で行われた去年のライブと同じく、開演前のアナウンスはお兄ちゃんこと高嶋政宏。今年は奥様のシルビア・グラブさん付きにグレードアップ、しかも今日はご夫妻がほんとうにいらしていました。綜馬さんのライブの特徴は深い歌声と端正でノーブルなルックス、上品な言葉づかい、そしてそれを思いっきり裏切る一般人には理解が難しい天然大爆発発言のオンパレード。しかしたいへんに癒されるのです。一曲歌うごとに深々と頭をさげ、「聴いてくださってありがとうございました」という綜馬さん。そしてその合間に、村井国夫さんをクニオ呼ばわりしてみたり、電車のなかで真島茂樹さんに「あ〜ら綜馬ちゃんこれからお仕事〜!?」といわれて恥ずかしかったエピソードを教えてくれたり、琵琶法師のおともだちにクレームをつけられた話などをしてくれます。『レ・ミゼラブル』でできた綜馬さんの若いおともだち、横沢健司、SINGO、今泉りえ、高島みほ、ゲスト4氏のコーラスカルテットがこれまた素晴らしい。ちなみにSINGOさんの歌は、私は『ウィンターローズ』という耽美な荻田ワールドでしか聴いたことがなかったので、笑顔で明るい歌を歌っている彼の姿を観られたのはかなり新鮮だったな。しかも彼は今回大阪から上京するにあたり、列車のなかにスーツを忘れてきたそうだ。興味深い人だ。そんな楽しいライブはどの曲もとても素敵でしたが、綜馬さん作詞作曲のオリジナル曲、とくに「宮廷詩人」はやはり秀逸。壁にもたれて竪琴をつまびくひとりの青年、その指から流れた血が石の床を濡らす…。絵が浮かぶんですよね。もしかしたらこの曲を綜馬画伯によって絵本化するかもしれない、とのことなのでとても楽しみなのですが、綜馬さんのことだからなあ、ほかの人が想像しなかったような絵柄で迫ってくる可能性はぬぐえない…。