こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

ウンパ・ルンパ

映画『チャーリーとチョコレート工場』。ティム・バートンジョニー・デップとチョコレートという時点で既に観る気満々なのだが、それ加えて、『ネバーランド』では今にも死にそうだったフレディー・ハイモアくんに元気溌剌なチャーリーとして再会できることは大きな喜びであります。しかし目の下の隈はあいかわらずで、人生知ってる感がにじみ出ていますね。さてさて、世界中でベストセラーを誇るウォンカ社のチョコレートに封入された5枚のあたり券。このチケットを手した人は、名誉あるチョコレート工場の見学に招かれます。ジョニーが演じるのはこの工場主である奇人ウィリー・ウォンカ。嬉しそうジョニー。大きなはさみでリボンを切る場面が『シザーハンズ』へのオマージュ、っていうかまるっきり本人で大サービスです。工場で働いているウンパ・ルンパ族のみなさん(演じている役者さんはひとりなので、CGで大勢になっているから顔が全員同じ)の歌い踊るミュージカルナンバー、とくに昔のMGM映画よろしく、一列にならんだ水着のウンパが笑顔で次々飛び込んで行くところなんか最高です。チャーリー以外の子供たちは現代病というか、古今東西というか、典型的な悪い子揃い。みんな巧いよなあ。わがままお嬢さんが、おねだりして「ダディ!」というときのキッツイ視線がたまりません。しかしこの悪い子たちが罰せられていく描写はちょっと「…いいのか?」と不安になるくらい厳しい。この厳しさと、心暖まりまくりのラストの温度差というか振れ幅の大きさというか、そこがバートン映画の魅力なのだと思います。ウォンカと父親の和解シーンもよかったな。またこの父親を演っているのがあの白爺、クリストファー・リーだからして…。