こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

2005年01月01日(土) 晴れ(東京)

おめでとうございます

大掃除に没頭しているあいだに新年になってしまいました(笑)。本年もどうぞよろしくお願いいたします。今年のおせちは「だいこんスープ+おもち」のお雑煮。なかなかイケました。


2005年01月02日(日) 晴れ(東京)
ターミナル

あまり寝正月になってもいけないので、映画にでかけました。『ターミナル』。想像していたよりほのぼのしたおとぎ話でした。ある意味『キャストアウェイ』。追いつめられた時のトム・ハンクスって、妙ににカワイイんだよなあ。そしておかっぱ頭のキャサリン・ゼタ=ジョーンズが年齢不詳、またカワイイ。入国許可ハンコ押し係の女の子の指輪キラリーンのところとか、クラッカー+無料ケチャップ+無料マスタードのミニミニサンドイッチ作成シーンとか、バルコニー珍妙ディナーとか、おもしろかったな。あと、今どき「ガラス戸に気づかず体当たり」シーンが観られる(しかもトム・ハンクスで)とは思わなかった(笑。ちなみに、いままで観たうちでいちばんすごかった「ガラス戸体当たり」は『隣のヒットマン』のマシュー・ペリー)。





2005年01月03日(月) 晴れ(東京)
五線譜のラブレター

お正月映画、もいっちょ。日比谷で『五線譜のラブレター』を観ました。コール・ポーターの半生を描いたミュージカル映画です。コール役のケビン・クラインの、なんとも素朴な歌唱力がたまりません。そして妻・リンダ役のアシュレイ・ジャッドが綺麗。白い蘭なのかな、花を耳元に挿したウェディングドレス姿がとびきり綺麗。そして老けメイクになると、もっと綺麗。コール・ポーターといえば、名曲、名作ばかりを残した、裕福で幸せな音楽家というイメージがありました。たしかに経済的にはほとんど苦労もなく、そしてとっかえひっかえ、いつも誰か愛する人にそばにいてもらえた人。だけどリンダを失ったとき、コールは、彼女こそ唯一無比の存在だったこと、そして彼にはほかにもうなんの喜びも訪れないことを悟ります。自由を貫いて、結局いちばん寂しかったのは彼自身だったんですね。謎の演出家役、ジョナサン・プライスの存在が効いています。しょっぱなから出ているのに、なかなか歌いません。いつ歌うんだ、いつ歌ってくれるんだと前のめりになっていたので、ようやく最後のほうで「Blow, Gabriel, Blow」を歌い出した瞬間、思わず立ち上がりそうに…。


2005年01月04日(火) 晴れ(東京)
仕事はじめ

お正月休みが短くて、ちょっと損なカレンダー。まあ時給生活の身の上としては喜ぶべきことでもあります。今年の目標は、公私ともに「ものを減らす」ことです。いろんな意味で最小限、必要なものだけにする。いらないものは持っていてもしかたがないですもんね。そのいらないものを見極めるのが実に難しいわけだけども…。

2005年01月05日(水) 晴れ(東京)
ゲシュタルト崩壊

リビアによると、同じ漢字をずっと見つめているうちに「…こんな字でよかったのか?」と思うようになる現象を「ゲシュタルト崩壊」というらしいです。人間の脳は動くものに反応する習性があって、文字みたいな動かないものを長く見つづけていると感覚がおかしくなるんだって。そうなりやすい漢字ベストスリーは(どういう根拠で選ばれたのかはわからないのだが)「粉」「若」「借」。たとえば「粉」なら、しばらくするとその字を全体像としてまったくつかめなくなって、「米」と「分」が並んで書いてあるようにしかみえなくなる。そういうもんなのかなあ。ちなみに、同じ字を書き過ぎて途中でわからなくなることもよくありますよね。私は「前」という字でよくそうなりますが、みなさんはいがでしょう。


2005年01月06日(木) 雨(東京)
福袋

親戚のおじさんにお菓子の福袋をもらいました。私はいくつだと思われているのだろう…しかしかなり嬉しい。




2005年01月07日(金) 晴れ(東京)
リセット

せっかく大掃除したのに、またなんか倉庫のようになってまりいました。減らしたいのに減らせない本とか紙とかの山。なぜかしら。


2005年01月08日(土) 晴れ(東京)
浅草歌舞伎

お正月のお楽しみ、いざ『新春浅草歌舞伎』へ。午後3時からはじまる二部公演です。幕開けのお年玉ご挨拶で男女蔵さんが「1年ぶりに浅草に帰ってまいりました。しかし、勘太郎さんだけが帰ってきませんでした」(笑)。そう、昨年からの顔ぶれがほとんど残っているなかにひとりお兄ちゃまの姿だけがありません。ひたすら残念なことですが、野田屋に丁稚奉公中(勘九郎さん談)なのでしかたがないですね。今年はそのかわり、中村亀鶴さんと片岡愛之助さんが帰ってきました。おふたりとも久しぶりだそうです。演目は『御所五郎蔵』『鏡獅子』『封印切』。どれも楽しかったなあ。とくに、らぶりんこと愛之助さんのご活躍が印象に残りました。笑顔が優しいところは、遺伝子関係なくてもちょっと仁左衛門さんに似てるね。あと、七之助くんと国生・宗生兄弟の『鏡獅子』従兄弟舞も、これはいろんな意味で印象に残りました。せっかく男前なんだから、おやつ我慢しようね国生ちゃん…。終演後はともだちのおがちゃんと待ち合わせて、米久ですきやき+神谷バー電気ブランツアー。浅草満喫。




2005年01月09日(日) 晴れ(東京)
義経スタート

新しい大河ドラマがはじまりました。『義経』。体力的には去年の『新選組!』を一所懸命見すぎて燃え尽きてしまった感のある日曜8時なのですが、せっかく大河をみる習慣がついたのだからと思い、とりあえずテレビをつけてみました。画面がきれい。子役がうまい。タイラのなにがしが多すぎて見分けがつかない。そして白石加代子さんのが百物語。おもしろい(笑)!学校で習ったこのあたりのこと随分忘れちゃってるな。去年であれだけ不可解だった幕末の変遷がずいぶんわかったことだし、今年もひきつづき勉強してみますか。




2005年01月10日(月) 晴れ(東京)
電気ブラン

おとといおがちゃんと浅草の「神谷バー」で初めて飲んだ電気ブラン仲見世周辺のコンビニにも「電気ブランあります」ってたくさん貼り紙してあったな。ちっちゃなコップ1杯でたいへん効く逸品です。そして安い。なにに似ているかというと…名前の響きや琥珀色の見た目からいってたぶんブランデーがいちばん近いのでしょうが、私は養命酒を思い出しました。甘めで、いろんなものが入ってそうな味がするあたりがなんとなく。調べてみたところ、明治15年に神谷バーの創業者がつくったお酒なんですって。ブランデー、ジン、ベルモットキュラソー、ワインなどなど、やっぱりいろんなものがはいっていて、製法は秘密だそうな。ちなみになんで「電気」かというと、当時は「電気」がハイカラの象徴だったからだそうです。





2005年01月11日(火) 晴れ(東京)
萬屋

これも実はおととい神谷バーで買いました。日本酒「獅童」。なんで「獅童」かというと、この酒造元がたまたま萬屋(よろずや)さんだったから、だと思われる(獅童さんところの屋号は萬屋)。そういえば去年の大河ドラマ新選組!』でも、獅童さん演じる捨助が拗ねて暴れて火事を出したその火元の宿屋のなまえが「萬屋」というお遊びがありましたねえ。







2005年01月12日(水)
ついに、なにわバタフライ

待ちかねたパルコ劇場『なにわバタフライ』観劇。すごすぎる戸田恵子さん。通る声で2時間しゃべりっぱなし、あのちっちゃい体のどこにあんなパワーが潜んでいるのでしょう。セットはミヤコ蝶々さん(と思われる女優の)楽屋です。彼女の本をだしたいと訪ねて来たライターに彼女がその半生を語っていく、のですが。そんな伏線があったのか、とか、そんなとこでそんな小道具使うのか、とか、笑ったり驚いたりしてるうち、あっという間に終っちゃう。もうすべてが見事としかいいようがありません。戸田さん意外の登場人物はすべて「そこにいるもの」として戸田さんの台詞で描いてくんだけれども、どんどんちっちゃくなって、しまいには手乗りになっちゃう<おとうちゃん>が最高だったな。それと<ぼくちゃん>の病床を見舞うシーンの別れ際の笑顔はぐっときました。音楽も、マリンバとドラムだけであれだけバラエティに富んだ音が出せるんですね。書けないものがないのか、おそるべし三谷幸喜




2005年01月13日(木) 晴れ(東京)
ご利益

編集部で新年会がありました。またいろんな話が出たのですが、なかでも興味深かったのは浅草寺の経営形態と、いろんな神社仏閣のご利益の強さについて。デパートの屋上にも結構力のあるお社があるらしいです。なんでそんな話になったんだ(笑)。




2005年01月14日(金) 晴れ(東京)
そば屋飲み

向かいのビルのじゅんちゃんから「ちょっとだけ飲まない?」と楽しいメールをもらい、仕事と仕事のあいまにさくっと飲みにいきました。つらつらと歩いていてみつけた渋谷・宮益坂近くのそば屋。お客さまの9割5分がおじさんという衝撃的な光景のなか、お店のおばちゃんにも親切にしてもらって美味しく飲みました。また近いうちにいつものみんなで集まって、くだらな飲みしたくなってきたね、じゅんちゃん。

2005年01月15日(土) 雪のちくもり
飲んでばっかり

この冬はほんとによく降る。東京ですらこれだものなあ…。そんななか、おおまりにうちにきてもらって、ライブの選曲会議をしました。おみやげにもってきてくれたビールとカツサンドをいただきながらまたくだらな話をえんえんとやっていたらすごい冷えてきたので(うちはものすごく寒いのです)、急いで打ち合わせ。その後、俳優祭の「タンカラヅカコーナー」のオスカル福助や羽根ゆさゆさ玉太郎さんや律儀な高麗蔵トートなどを見てもらって笑っているうちにまた冷え切ってきたので、魚民で飲みなおし。




2005年01月16日(日) 雨
頑張れだんだん

新橋演舞場で『寿新春大歌舞伎』を観せていただきました。團菊観るの、考えたらもう10年ぶりくらいだなあ。海老蔵さんの舞台姿も初めて観ました。さすがの二枚目。愛すべきパパ、だんだんこと團十郎さんもお元気そうで本当によかったです。演目は、『鳥辺山心中』『文屋』『喜撰』『御所五郎蔵』。五郎蔵は浅草で冒頭のシーンを観たばかりなのでとくに興味深かった。しかし歌舞伎の話ってあとちょっと我慢すればよかったのにとか、あんたそれ絶対誤解だよとか、そんなのばっかりですよね。『鳥辺山心中』は、プライド傷つけられて我慢できなくて斬っちゃって、ついさっきまですごい幸せだった恋人に「一緒に死んでくれ〜」。ちなみに『封印切』は男の見栄で公金の封印を切ってしまい、ついさっきまですごい幸せだった恋人に「一緒に死んでくれ〜」。そっくりじゃないの。五郎蔵さんも、恋人が彼のためにわざと愛想づかしてくれてるのにぜんぜん見抜けなくて、逆切れして待ち伏せて斬っちゃってしかも人違い。あんまりです。まあ、それだけ人間は愚かだということ、そして、その愚かな人間の姿に、どうやって親しみやおかしみやあわれさを描き出すかが役者さんにかかっているということなんですよね。しかし今日、最後の斬ったはったでポーズを決めたあと突然素に戻って「本日はありがとうございました」とか普通に挨拶して幕が降りたのには大ウケだった。さっき人違いで斬られた松也くんがすぐ後ろの行灯の影で死んだままなんですけど。なんでもありだなあ歌舞伎。いいなあ。





2005年01月17日(月) 晴れ(東京)
ディープ

というとどうしても、青い海、(海、海、バイ渋谷哲平)と続けたくなる人はおそらく30代以上。それはさておき、今日、とある役者さんのお話を伺っていたら「秋葉原駅から行くヤツは素人だね。プロは末広町から入る。そうすると電気街なんか抜けなくてもすぐディープなところに着けるんだよ〜」。ご本人はとてもアキバ系にはみえない、むしろマンハッタンのロフトでジャズを聴いていてもおかしくないような感じの方なんだけれども(それはそれでおかしい)、どうもマシンそのものとか今もう売ってないOSだとかにものすごく興味がおありのようで、いろいろ教えてくださいました。勉強に…なったのか(笑)。





2005年01月18日(火) 晴れ(東京)
サンドイッチ撮影

バイト先で、春から全国の店頭におくリーフレットの写真撮影がありました。サンドイッチを試作するので、それに必要な食材を集めるのが私の仕事。集めるとなると、どこに行ったら売っているのかわからないようなものも結構あって意外と難しかったけど、楽しい作業でした。甜面醤(てんめんじゃん)って知らなかったんだよねえ。甘い味噌ですね、北京ダックのたれとかに入ってるやつ。あと、パストラミっていうのもポークはよくあるんだけどビーフはあんまり売ってない。撮影のあいまに、シェフが美味しいお酒のつまみを教えてくれました。ペコリーノチーズ(イタリア産の羊乳のチーズ、堅くて塩辛い。ぺコリーのでなくても味の濃いチーズなら可)を5ミリ角くらいのさいのめに刻む。それを器にカラカラいれて、同じ量くらいのサワークリームとよくまぜあわせる。さらにそこにくるみをガラガラ入れてまたよくまぜあわせる。これだけ。大事なのはよくよくまぜあわせることくらい。黒パンにつけてもいいし、ビールにもワインにもよくあいます。

2005年01月19日(水) 晴れ(東京)
千歳飴

のようなアップルキャンディー。うっちーがフランスのお土産に買ってきてくれました。なんか立派な紋章がはいっていてあけるのもったいない!




2005年01月20日(木) 晴れ(東京)
酉年

職場でみかける今年の干支グッズのなかでカワイイのがこれ。鉄板加工などの工房さんが毎年干支にちなんだペーパースタンドみたいなのを作ってくれるのですが、それのにわとり版です。黒もありだなあ。


2005年01月21日(木) 晴れ(東京)
甘いもの

月の中ごろを過ぎると編集部での徹夜作業がつづくので、だんだん眠りが足りなくなり、そのせいか甘いものが恋しくなってきます。チョコは手放せません。なんにも入ってないただ黒いチョコが理想。いっこいっこ小さく個別包装されてると持ち歩きやすいし食べやすいですよね。




2005年01月22日(土) 晴れ
青い〜鳥、青い〜鳥〜

幸せ運ぶ〜青い〜鳥〜。おおまりが、なんと宝塚雪組のチケットを手にいれてくれて、一緒に観にいきました。『青い鳥を探して』と『タカラヅカ・ドリームキングダム』。専科のイシちゃん(轟悠)が特別出演なので、トップのコムちゃん(朝海ひかる)とふたり主役。というかイシちゃんがトップでコムちゃんが二番手みたいな感じになるのですが、いいよねえ。ぜんぜんいい。ちょっと抜けてるプレイボーイの兄と、クールだけど兄思いの弟っていう設定があってるし、結局みんな好きな人と結ばれて大団円なエンディングも幸せ。ショーではダンサーコム+まあちゃんの大技小技があますところなく見られるし、イシちゃんはド迫力だし、かしげもとなみも音月さんもみんな綺麗だし、なんというかいいバランスだなあ雪組。おおまりと宝塚をよく観ていたのは多分6、7年くらい前で、イシちゃんが雪組2番手からトップにこれからなりますという頃でした。あのイシちゃんがねえ。そしてコムに至ってはまだ花組のぜんぜん下級生で、『サザンクロスレビュー』でのインセクトが異様に綺麗だったのと、大階段で若手5人で歌ったとき「悠久のほ〜し〜、愛がひとつ〜」ってところを一緒懸命歌っていたのが印象深かった。あのコムちゃんがねえ。感慨深いですねえ。







2005年01月23日(日) 晴れ(東京)
ラケル

スタジオ練習のあとは、今年もやはり打ち合わせと称して昼ビール。みんなの好きなお粥屋さん、香港ロジは日曜日はお休みなので、ガード下のラケルに行ってみました。よくみかけるチェーン店ですが、入ってみたのは初めて。なんていうか…ちょっと浮世離れしてますね。店員の女の子がみんな優子りんか深キョンみたい。それは喜ばしいことなんだけれども、みんながみんなそうだってのは一種異様な感じがしないでもない。まあいいか。そしてまた妙にかわいいグラスに入ったビールと、普通にパワフルな鉄板オムレツは、ともに美味しかったです。




2005年01月24日(月) 晴れ(東京)
ベジタブル

このあいだテレビで紹介されていたヨン様ダイエット。効きめはどうなんでしょう。赤、黒、黄、緑、白、この5色の野菜をあわせて食べることがコツ。実は韓国は、焼肉の国ではなく、むしろ野菜の国なんだそうです。言われてみれば確かに、焼肉屋さんに必ずあるナムル盛り合わせなんかも、唐辛子(赤)、ぜんまい(黒)、黄(もやし)、緑(ほうれん草)、白(だいこん)の5色が揃ってますね。ヨン様はいまお仕事をちょっと控え、この野菜ダイエットとボディビルに勤しんでいます。スポーツジムでのプライベート映像で「ミナサン、マテイテクダサイ」とニコニコするヨン様の鍛えあげられた二の腕には、確かに説得力がありました。5色。いいのかも。ただ、その番組のなかで、野菜分類リストの赤い野菜に「いちご」も入っていた気がするのですが…野菜なの?




2005年01月25日(火) 晴れ(東京)
酒かす1キロ

市島酒造という新潟の酒蔵から、お酒をとりよせました。3、4年前に新潟に行ったとき雨やどりをさせていただいたのがご縁で、ときどきこちらにお願いをしています。「市島」と「王紋」。すっきりとしていて美味しい。今回、やけに段ボールが重いなと思ってあけてみたら、おまけで酒かすが入ってました。お餅の板みたいに伸してあって、正味1キロ。とりあえず甘酒を作ってみました。強烈なお祭りのにおいがします(笑)。説明書にはほかに「魚につけて焼く」「かす鍋」などいろいろ食べ方が書いてあったのですが、驚いたのは「焼いて食べる」。酔いそう。母もむかし、祖母に焼いてもらったことがあったそうです。しかも、その焼いたやつで砂糖を巻いて食べたらしい。どんな味がするのか聞いてみたら、ノーコメントだった(笑)。せっかくだから、挑戦してみたほうがいいのか…。




2005年01月26日(水) 雪のちくもり(東京)
梅を桜に

新春浅草歌舞伎、千秋楽。11時からはじまる一部を拝見してきました。1月初旬に観た午後のニ部と演目は一緒で、演じる役者さんがシャッフルされています。演者や型(かた)が違うと、同じ台本でも印象がまったく違うものです。『御所五郎蔵(ごしょのごろぞう)』なんかは今月、一部の獅童さん、二部の七之助くん、そして新橋演舞場の團十郎さんという、シルエットにまったく共通点のないこの3人(笑)の同役を見比べることができておもしろかったですねえ。いずれの五郎蔵も「梅を桜に植えかえて〜」の台詞が耳に残りました。『鏡獅子(かがみじし)』の胡蝶(獅子の精のまわりをとびまわるニ羽の小さなちょうちょ役)は、二部では女の子がつとめています。女の子っていくつくらいまで出ていいんだろう。昔の演者表みたいのを見てたら、松たか子さんも出ていたことあるのね。女形の美しさをみるにつけ、ああ〜こんなことでも女は男に叶わないのかと感動するやら悔しいやらな思いをすることが多いけど、こうして今日みたいなのを見てみると、やっぱり女の子にしか出せない可憐さっていうのもあるよなあと再認識。あと『封印切(ふういんぎり)』は、一部の成駒屋型と二部の松嶋屋型とでは、裏木戸で忠兵衛と梅川の「じゃらじゃらじゃらじゃら」なシーンのセットがまったく違っていて新鮮。お正月の浅草公会堂は、若手中心の公演だけあって、芸の若さについてどうしても厳しいことをいわれがちなひと月なんだそうですが、それはそれで独特の楽しさがあって愛しいものでもあります。来年はどんな顔ぶれでどんな芝居を観せてくれるのか、いまから楽しみ。勘太郎ちゃん帰ってきてね。

2005年01月27日(木) 晴れ(東京)
思いたったらすぐ予約

昨日の浅草歌舞伎千秋楽、実は客席にたどりつくまでに、自分のせいで、そして自分だけのあいだで大騒動があったのです。というのは前の晩、つま25日の夜のこと、だいじなチケットを忘れないようにとかばんにしまおうとして、なんの気もなく封筒をあけると「1月25日(火)11:00」と書いてある。終わってるじゃないの!不思議なことに日にち間違いって、前倒しに間違えることってまずなくて、だいたいは終わったあとに気がつくものなんですよね。しかし不思議がっている場合ではない。よく考えたら明日は千秋楽、さすがにチケットがないのでは。当日券はでるかもしれないけれど、そのためには、学生のときのお弁当屋のバイトのときくらい早朝の浅草にいかなければならないのか…。そこでふと、チケットウェブ松竹の存在を思い出しました。たしか最近、松竹(歌舞伎はだいたいここが販売元です)のチケットがインターネットで24時間予約できるようになったはず。検索してみると、ありましたありました。そして…とれたではないかー!!しかも、きっとなにかの事情で戻って来たチケットだったのでしょう、とても見やすい席です。ありがとうチケットウェブ松竹。どこのチケットもこんなふうに、思い立った時にひょいととれるようになったら、ちょっとずつ客足がのびていくような気がするなあ。




2005年01月28日(金) くもり(東京)
最終メルス

3度も観るなんて身分不相応だなと思ってはいたのですが、無理してよかった。なぜなら観るたびごとにどんどん、どんどんおもしろくなったから。最後だという感傷も手伝って、今日はひとつひとつのシーンが、はい来た、はい来ましたよの連続で、そしてまた言葉がよく聞こえてきたのです。いちばん聴きとるのに苦労したメルス=河原雅彦の台詞が、ほんとうによく、すんなりと聞こえてくる。感動でした。残念ながら数日前に入院してしまった六角精司さんは、古田新太氏の指にはめられたしまうまの指人形として(そして古田氏のアテレコで)出演。三人娘の「わたし知ってるわ、メルスなんていないのよ」の繰り返しがすごく印象的。スルメ=勘太郎は、骨にひびが入っているとは思えないほどの暴れっぷり、くるくるかわるあの表情もここではもう見納めです。野田さん、こんな経験させてくれてありがとうございました。ちなみに、今までみたカーテンコールはみんな燃え尽きててストイックな雰囲気だったのですが、千秋楽が近いからなのか、随分柔らかいものになっていました。下手から出てくる先頭の勘太郎ちゃんが、上手から出てくる先頭のコニタンににっこり笑っておじぎ。するとコニタンもにっこりおじぎ、その後ろの河原さんまで急に笑顔になった。なんだ、てんで素朴な人なんじゃないかマチャヒコ!




2005年01月29日(土) 晴れ(東京)
タック

博品館劇場が連日立見の満員です。ミュージカル『タック』。『Yesterday is...Here!』という作品の再演で、タイトルも、役の設定や構成も、ずいぶん大きくかわりました。パンツいっちょで登場する主役の坂元健児さんは銀髪がよく似合います。もともと天然のはいった素朴な人だけど、ますますもってとぼけていて優しくて、すごくカワイイ。言葉を失った少女ミュー役の堀内敬子ちゃんもこれまた30代とは思えないカワイさなのですが、さすが元シラバブ(キャッツの白ネコさん)、踊り出すとものすごいパワフルです。タックがミューに言葉を教えるところ、がんばるけどなかなか「タック」と言えないミューに「あ〜、母音がでてきたね。これで子音もでてくるともっといいんだけどな!」を3回も4回も繰り返すタックがベタで好きでした。狂言まわしの老人役、駒田一さんは、目がらんらんとしていて元気いっぱい。それに絡む青年を演じたのは『Yesterday〜』のときと同じく川本昭彦さんでしたが、以前のまるっきり好青年な設定ががらっとかわって今回はとても柴田恭兵、素敵。ふた役で子供を演じるときは眼鏡のインテリでこれまた素敵。それから東宝ミュージカルでよくみかける日比野啓一さんが出ていたのも嬉しかったな。『チャーリー・ガール』でジャック・ダンサーズの日比野さん、最高だったのです。




2005年01月30日(日) 晴れ(東京)
お酒

お酒を飲む方の多くにおぼえがあると思うのですが、人は酔うと、あとから自分でもまったく理解できないような謎の行動をとることがあります。六本木ロアビルのロビーで「酔っていない証拠に踊る」といってタップをふんだ。とか、神保町から普通に地下鉄に乗ったはずなのになぜか降りたのが青葉台だった。とか、せっかくタクシーに乗ったのに急に歩きたくなり、2時間くらいがんばったが力つきて再びタクシーに乗るという無駄なことをして怒られた。とか、異動して初めての飲み会で、なじみづらかったメンバーがみんな来てくれてしかもいい人たちだとわかり、その嬉しさで飲み過ぎて倒れ、あおいでくれてる人に「もっとあおげ」といい、宿泊手配をしてもらったのにひと眠りして起きた途端自分だけ突然「帰る」と言い出し、乗せてもらった電車をひと駅で降りて親に電話して「なんで私はここにいるの」といってあとですごく怒られた。とかいう、まったく他人ごとではない経験のある私としては(若いころの話です、さすがに最近はここまでのことはない)、誰のこともまったく責められません。ともあれ、どうにかうまくおさまりますように。中村屋がようやく家族全員揃うのを、お客は心待ちにしてきたのだからして…。


2005年01月31日(木) 晴れ(東京)
パフェ

バイト先のうっちーとまっちゃんと渋谷の焼肉店で恒例のYSKを行い、帰りに近くのハーゲンダッツで甘いもの締め。アイスクリーム半年分って勢いの立派なパフェ。いま、おそらくいまなんにも喉を通らない思いをしている人のことを思うと申し訳ないような気にもなったが…美味しかった。ごめんなさい。