こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

エコール

ミュージカル『レ・ミゼラブル』のお稽古場にお邪魔しました。
出演者役者を対象とした、
翻訳家の先生によるレミゼ講座が開かれています。


この舞台、アンサンブルの役者さんはもちろん、
結構なメインロールであっても、
シーンによっていろんな役柄で
登場しなければならないことがあります。
パン屋のおやじになったり、学生になったり、
物乞いになったり。
台詞として指示がないそういうシーンこそ
的確な役づくりが必要なのですが、
そのためには、フランス革命当時のパリの生活を
きちんと理解していないと、きっと
とんちんかんなことになってしまうのです。


歴然とした身分の違い。
孤児たち。
劣悪な衛生状態と偏った食生活。
満足のいく医療も受けられずに死んでいく貧しい人間が
いかに多かったか。


ひとつひとつかみ砕いていくと、
ファンテーヌの若すぎる死が、
コゼットやエポニーヌのぎりぎりの頼りなさが、
バリケードで立ち尽くすアンジョルラスの喪失感が、
そして彼らをとりまくパリ市民たちの表情というものが
リアルにイメージできるようになってくる。


まじめな顔で取り組む役者さんたちの姿が素敵でした。


そのなかに、以前スタジオでご一緒させてもらった
阿部くんと宮ちゃん発見。
さすが。がんばれ市民諸君!