こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

ソウル・オブ・ア・マン

ミュージカル『キンキーブーツ』を観ました。
再演にして、初見。
そして絶句。

イギリスの田舎町、
潰れかけの靴工場で詰んでる若社長チャーリー(小池徹平)と、
同じく田舎町の出身で、
ようやく場末のキャバレーでスターを張ってる
ドラァグクイーンのローズ(三浦春馬)は、
お互いにまっすぐ相手を見据え、少しずつ心を通わせながら
物語を支えていきます。

ド派手なヒールブーツ。
ミラノのファッションショーに出す出さないで大喧嘩やけど、
ゴールはそこじゃないんだよね。

あるがままの他人を受け入れる。
自分が変われば世界が変わる。
あと、いなくなった人の残したものは、
「もの」だけじゃないということ。
それを、役者一人ひとりの佇まいが
いまあるエネルギーを限界まで使って伝えようとしてくれる。

感情が高ぶって声が少しだけ裏返る瞬間とか、
握った手の甲に浮き出た静脈とか。
徹平ちゃんと春馬くんの繊細な表現のひとつひとつに
撃たれ続けた3時間でした。