６４

横山秀夫の小説「６４」を読みました。
　
上巻では、主人公の置かれてる環境が
すこぶる息苦しいのと
インプットしなきゃいけない情報も多いために
少しずつしか読み進められなかったんだけど、
下巻に差し掛かったら突然展開が加速して
読んでいるこちらもヒートアップ。

物語のはじめと終わりで、
登場人物たちがみんな変化してる。
主人公、三上の気持ちにシンクロして読んでいると
最初は自分も広報室が嫌で嫌で
なるはやで刑事に戻りたい、と思っていたはずが、
読み進めるうちにいつの間にか
討ち死にする覚悟でも広報官として生きていきたい、って
本気で思うようになっていて驚いた。
　
記者クラブの記者たちの熱さや青さも
始めはほんとうに鬱陶しかったのに、
全国との戦いになったとき
無意識に「ウチのクラブ」という身内意識が芽生えてるのに気付いて
鳥肌立ったよ。