ヤモさん
うちのマンションにはヤモリが住んでいる。
虫も爬虫類も両生類も苦手だが、
なぜかヤモリだけはわりと大丈夫である。
あまりにも目がつぶらなのと、
あまりにも形がおもしろいのと、
やっぱり「家を守ってくれる」という
ありがたい感じがインプリされているからだと思う。
以前、ニューカレドニアに旅行したとき、
夜明けにホテルの中庭に響き渡った
ケケケケケケケ!
ってどでかい鳴き声に仰天して、地元の人に
「C'est un ヤモリ」(フランス語:イメージ)
と教えてもらったときにはほんとにびっくりしたけど、
あれは、日本の白いちっこいヤモさんたちとはきっと
ぜんぜん違う姿をしているんじゃないかと想像。
ともあれ、うちに住んでるヤモさんたちとの距離感は、
ときどき廊下でみかけたり、
一度はリビングの天井にぽつんとはりついてて
みつけたらあっというまに消えたりとか、
いままではまあそんな感じだったのですが。
最近。
そのうちの1匹が、夜な夜な
私の部屋へ通ってきていることが発覚したのである。
ベッドサイドの、しかも「閉まったままの窓」のサッシの隙間から!
どんだけ薄いねん!
どんだけくねくねしてサッシのでこぼこ乗り越えてんねん!
10日前くらいだったか、カーテンの向こうに
めっちゃ「アニエスb.」的なシルエットが浮かびあがったので
わあこんな人のそばまでくるとは
ヤモリのくせに神経の太いヤツだと思って感心していたところ、
昨夜、たぶんそれと同じヒトがほぼ同じところに現れたため
よく見てやろうと思ってカーテンあけたら、
ま さ か の 窓 の 内 側 に い た ん で す 。
しばらくあっけにとられて観察してたけど
脅かして死んじゃってもいけないし、
結局そっとカーテンを閉めて、
そのまま寝ました(笑)。
朝起きたら、どっか消えてた。