こまりさんの、はらぺこブログ

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

取り替えっ子

チェンジリング』。


チェンジリング [DVD]

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1920年代後半のロサンジェルス
アンジェリーナ・ジョリー演じるシングルマザー、
クリスティン・コリンズの
9歳の息子が突然失踪する。
家出か、誘拐か。
5ヶ月後、警察に保護されて戻ってきたのはしかし
我が子とは全く別人の、見知らぬ少年だった。


アメリカの西海岸で起きた実話をもとにした
クリント・イーストウッド監督の映画です。


たった1本で、何本もの作品を一気に観た気がする。


そもそも、始まった時点で
このあとこの子が誘拐されてお母さんがたいへんな苦労をする、
という展開であることは観客全員がわかっているので、
なんかもう幕開けからから辛くていたたまれない。
クリントが今回も一本指奏法のピアノで作曲したのだろうと思われる
優しい音楽が救いです。


クリスティンの息子を筆頭に
登場する少年たちはみなそれぞれ
この映画のなかで重要な役割を担ってるんだけど、
なかでもひときわ痛々しいのが
物語中盤からから登場するサンフォード少年。


15歳。
成長過程の少年特有のバランスの悪さ。
栄養の足りていない小柄な体型に、大人びた顔。


もし、この映画に登場する少年たちを
単純に「いいこども」と「わるいこども」に分けるなら、
クリスティンの息子は「いいこども」で
替え玉の子やサンフォードは「わるいこども」に
カテゴライズされると思うんだけど、
ある場面でサンフォードがそばにいた少年に


「やめてくれ、頼むから」


って言うんだよね。
「やめろよ」っていう乱暴な言い方じゃなくて、


Stop it, please.


みたいな感じ。
その繊細さが、 これ以上ない劣悪な環境にあっても失われなかった
彼の持って生まれた資質のような気がして、
なんで誰か今すぐにこの子を抱き締めてやらないのかと苦しくなった。


病院の場面で、どうすれば医者の機嫌を損ねないか
必死で答えを探すクリスティンと、
ある登場人物の「姉」(登場時間3分くらい)の演技が秀逸でした。
あと、ヅラ仕様のジョン・マルコビッチ
まだまだイケてることを発見!