こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

かけ算たし算

この人にみつめられてなにか「お願い」されたら
きっと、絶対に断れない。


…と思う有名人が、何人かいます。


私にとってのそれは、
元祖が、薬師丸ひろ子さん。
そして最新は、
お笑い芸人、ロザンの菅広文さん。


その菅ちゃんが書いた本、「京大芸人」を読みました。



京大芸人とは、
京大卒の相方、宇治原史規さんのこと(菅ちゃんは府大卒)。
いまやクイズ番組でそのインテリぶりをいかんなく発揮し
地味なバブルを迎えているうーじー。
彼と菅ちゃんが進学系の高校で出会ってから
芸人になるまでのことを綴ったエッセイです。


基本的には、
「菅からみた宇治原の不可思議な生態の数々」
が書かれていて、
ことにうーじーの勉学への取り組み方には
ある種の衝撃を受けます。
教科書の重要な箇所に
アンダーラインを引かないことを
不思議に思った菅ちゃんが理由をたずねたら


「重要じゃない部分なんかないから」


とあっさり言われたとか。


ああ、学生時代にこの本に出会っていたら、
私の人生ももうすこし違うものになっていたかも…。


ロザンは、漫才師的には
うーじーがツッコミで菅ちゃんがボケだけど、
この本におけるうーじーの異色天然ぶりに
菅ちゃんが全身でツッコんでいるさまは
抱腹絶倒であります。
かつ、なんかしみじみと癒される感じがするのは、
うーじーのことを書いていながら、
書いている菅ちゃんの優しい目線とか、
頭はよくてもバカだった高校時代のロザンの毎日が
ありありとみえてくるからなんすよね。


とりあえずふたりとも現役大学生のあいだに
芸人になれたところで
この本は終わっているので、
ぜひ、続編が読みたいです。
結局なんで卒業までにそんなに年数がかかったのかとか、
大阪ローカルから全国区への顛末とか。


続きが、うーじーの書く「府大芸人」ってのもいいかも。