こまりさんの、はらぺこ手帖

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

マイナス→プラス

このあいだ『ミス・サイゴン』を観てきました。



初めてソニンの演じるキムを観ました。
たった2時間あまりのあいだに
田舎の村の少女が恋をして母親になった。
激しいアジアの女だった。
すごい子だ。
今回の東京のサイゴン観られるの、これが最後かな。
もしも年明けの博多座に行けたら、
ぜひとも未見の藤岡クリスを観ませんと。


しかし、
これだけの大仕掛けを駆使している『ミス・サイゴン』は
装置ハプニングが多発する作品です。
今回も2幕、バンコクのキャバレー街で
ジョンがキムと再会したあと、
なぜか簾がおごそかにシャ〜ッと降りて
美しいピアノの旋律がまったり…。
安全装置が働いて、40分近くストップしました。
なにもないに越したことはないけど、
まあ、怪我人が出るよりなんぼかいいよ。
お客さまは文句もいわず、
ロビーで振る舞われたドリンク片手に
のんびり再開を待ってました。
売店のみなさんてんてこまい。お疲れさまでした。


しっかし。
お得感といったら罰があたるでしょうが、
ハプニングのあった日はどれも
マイナスをプラスにかえるようなフォローがあって
そのたび、役者力に感心します。
私が体験しただけでも、


●初演(1992)
セットの柱がバキッといって中断
→再開場面の市村エンジニアの
「♪(取引)やり直しだ」の愉快なニュアンスに会場沸く


●再演(2004)
アメリカンドリームでキャディラック出ず
→なにもない空間を筧エンジニアが転げまわり
面目躍如の名場面に


●再再演(2008)
バンコクで屋台倒れて転換ストップ
→カーテンコールにて
別所エンジニアの真摯なスピーチで観客の心温まる



適材適所というか。
エンジニアっていつもたいへんね(笑)。