こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

南座いっちゃうぜ!

明日の出張にジバラで前乗り。
南座南座




『霧太郎天狗酒盛』(きりたろう・てんぐのさかもり)。
111年ぶりに復活した通し狂言なのです。


ひと幕め。
もうすぐ将軍にならなければいけないというのに
源実朝愛之助)が恋わずらって病になり、
鶴岡八幡宮でもひと暴れ。
忠臣の北条義時(勘太郎)が心配していると、
そこへ傾城櫻木(七之助)があらわれて
義時スキスキ大作戦でおしまくり、
めでたくバカップルが誕生しました。
…はいいのだが、
この世代交代劇のごたごたにつけこんだのが
この世を魔界にしようとたくらむ
妖術使いの大盗賊、霧太郎(橋之助)!
子分の天狗たちのジャンプ力がすごい。
悪役の亀鶴さん、でっかい声で大活躍。
薪車さんの動きはさわやかだがジャニーズっぽいぞ。
そしてお家の重宝は必ずなくなるというジンクス。
ファンタジーだ。


幕間に 、
丹波屋さんのみたらしだんごと
金色の飲み物をはさみつつ〜。


ふた幕め。
そうか、薪車さんがやってるアバンギャルドな坊さんは
公暁だったのか!
そう思うと憎めないんだよなー。
公暁には、源の血筋に生まれながらも
天と世間に見放され、
ついには最後に信じたおじさん(実朝)にも見放されて
鶴岡八幡宮の大銀杏の下で謀反を起こすが
結局それで自分自身を葬ることになった、みたいな、
「あ〜なんかだめだなあこの人」的愛着が
昔からあってですね(笑)。


勘太郎ちゃん演じる義時は
家宝の名刀、雲切丸が抜いてみたら桜の枝になっていたという
キテレツ事件により勘当されて以来、
凹みっぱなしでヨレヨレです。
折っちゃいけない梅の枝まで折っちゃったあげく、
恋人の櫻木まで霧太郎にさらわれちゃった。
この人、たぶん大殺界だな…。


というか、霧太郎はっしーと櫻木七之助は
空とんでったよ。すごー!


さん幕め。
なんで霧太郎が櫻木をさらっていったかというと
彼女はじつは、義経の血をひく千代姫だったんですね。
で、公暁と結婚させると源の血として強力なので、
このふたりをいただいて天下をとろうと
狙ったわけなんだけど…
あとちょっとだったんだけどねー。
義時マイラブのために尼になろうとして
櫻木が切った髪の束をもやしたら
妖術が解けたのだった。
「世にもめずらしい33枚の歯を持つおなごの髪を燃やせば」
みたいなことをいっていた。
なんか「バーナムの森が動いたら」みたいだねえ。
というか33枚の歯ってなんだろう(笑)。
ともあれ、実朝の病気も妖術のせいだったらしく
元気になったらぶりんがぷりぷり怒ってるぞ!
そして、追い詰められてもはっしー霧太郎は堂々としてるぞ。
カッコイイ。


はー。
これ、もっとこなれてテンポがでたら
もっともっとおもしろくなりそうだ。
はっしー、みなさま、お疲れさま!
せっかく復活したんだもんね、続けてほしいな。


と思いながら、 南座おとなりの松葉でにしんそば。
天気いいなあ。東京も晴れたかな。