こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

ロープ

野田地図の『ロープ』を観てきました。

まんなかにロープをはりめぐらしたリングがあります。
プロレスです。
ここから、いったいどこへどうやって
転がっていくのかわからない野田さんの舞台。
今回もスリリングでしたが、
なんだか前よりずっとわかりやすく感じたのは、
自分が野田さんのスピードや情報量にようやく慣れてきたのか、
それとも野田さんが以前より「翻訳」してくれるようになったのか。
構図はちょっと『オイル』に似ていたけども、
今回はラストで、あの作品で体験したような
突き放されて呆然とする感じではなく、
疲弊感のなかにもあきらめなくても大丈夫かもしれないという
希望を感じたんですね。

宮沢りえちゃん、タフでびっくりです。
いい感じに声がハスキーになっててかっこよかった。
そして藤原竜也くんは、古典もいいけど
こういう新しい作品もとてもよく似合って
おもしろいんじゃないかしらと思いました。

終わってから、セットをよく見たくて舞台に近づいてみたら、
壁いっぱいに番号と名前が書いてありました。
ベトナムの人たちの名前なんだろうな。
もしかしたら、晴れた日の朝に4時間で消えた
「ミライ」の村の人たちの。
怖かったです。