こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

そう…

先日、WOWOWで放映された映画『SAW』を多大なる勇気をもって観ていたら、いよいよラストというところで録画が切れる…というショッキングな出来事があったので、再チャレンジしました。いやあ…これはすごい。掘り下げ甲斐は『マルホランド・ドライブ』並みです。地下にあると思われる廃れた集団浴室、その対角線上の角と角につながれたふたりの男。まんなかには死体。カセットテープ。「命の大切さをないがしろにしている」ターゲットに次々とゲームを仕掛ける犯人「ジグソウ」はいったい誰なのか。怖い。なにが怖いって、つながれた男のひとり、ゴードン医師(ケアリー・エルウェズ)の顔の蒼白さがいちばん怖かったのだが、とにかくみんな芝居がうますぎるよ。もうひとりのつながれた男、アダムには、映画『セッション9』に出てくる「ごめんねクッキー食べちゃった」の若者的な悲哀感があって、思わず感情移入してしまう。アダムを演じているリー・ワネルは、この映画の脚本を書いているそうです。ジェームズ・ワン監督とリー・ワネル、まだ20代の若きオージーが発案した低予算、スピード撮影が生んだ傑作ですね。ラストシーンをどう解釈するか、さかのぼって探せば探すほど限りなくみつかるモチーフに、わが家はいまさらながら大興奮しております。そして劇場では現在、続編の『SAW2』上映中。しかし、逃げ場のない映画館でこれを観る勇気は、さすがにまだない…。