こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

大きな魚

ビデオに撮っておいた映画『ビッグ・フィッシュ』を観ました。おお、ウンパ・ルンパの人がいる。というかティム・バートンファミリー勢ぞろいですね。子供時代から今に至るまで、とても信じられないようなファンタジーで埋め尽くされた父(アルバート・フィニー)の人生。その武勇伝は周囲を楽しませ、彼はいつも人の輪の中心にいます。でも、主人公である息子(ビリー・クラダップ)だけは、それは全部大法螺だと思っている。父への憧れと、そうはなれない自分に対しての劣等感と、自分は父の人生の外にいるという疎外感とで、素直に向き合うことができませんでした。だけど、父は誰よりも妻と息子を愛していたし、物語の数々もある意味「真実」だった。父の最期に臨んで、まるで父と同一化したみたいに息子の口から言葉が溢れ出る場面。息子が綴った最高のエンディングで、父の人生の物語は完結するのです。そっくりな親子だったんですね。以前ある人が、最近観てよかった映画は、ときかれてこの『ビッグ・フィッシュ』を迷うことなくあげて「映画館から帰ってすぐ父に、母と一緒に観てくれといった」と話していたんだけれども、ああ〜、なんかそれね、すごくわかった気がする。