こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

「前」違い

ところで、このドクロBOXには特別なオプションがついています。
それは2体の「捨之介フィギュア」。
古田新太バージョンと染五郎バージョン、
座って身の丈10センチくらいの捨之介です。


ニヒルな古田さん。染ちゃん顎んとこ青いし。
なんとも感じ出てるなあ。


このオプションはつけるかつけないか選ぶことができたので、
イーオシバイの通販サイトとにらめっこしながら
ずいぶん長いこと迷っていたのですが、
決め手になったのはどういうわけか、
少年隊プレゾンの大阪公演でした。大ラスのカーテンコール、
「千秋楽なのでご紹介します!」とニッキが前に押し出した
JACの前川貴紀さん。


この名前、どこかで…。


ああそうだ、サイトで紹介されていた
あのフィギュアの生みの親の方ではないか!


JACの役者さんの驚異的な身体能力は舞台でもひっぱりだこだもんなあ、
こうして思いがけないところで感動的な再会があるんだなあ。
手先も器用な彼はいままではご趣味で、
というレベルをはるかに超えた腕前なのですが、
まあいろんな一体もののフィギュアを作っていらしたらしいのです。
それがあまりにも出来がいいのでこのままではもったいないと、
今回の量産にあいなった模様。


素朴な笑顔で照れまくる前川さんを、
佐藤アツヒロくんが嬉しそうに冷やかしていた。


…ああそうか、アッくんつながりだったのか。


ともあれ、帰京した私はさっそくイーオシバイのサイトを開き、
迷わず「スペシャルエディションフィギュア付き」をクリックしていたのです。


ところがですね。後日談。
青山劇場に新感線の『吉原御免状』を観にいき、
毎度のごとく素晴らしい美しさのパンフレットをぱらぱらとめくっていて、


「ああ今回も出演してるんだ前田さん…あれ、前…前、田…?」


…まえださん!


プレゾンに出ていたのは前川貴紀さん。
フィギュア職人は前田悟さん。
「前」しかかぶってない(笑)。あ、JACもか。


ともあれ私の早とちりでお人違いだったのですが、
これもご縁といえ…なくもないのか。
とりあえずわが家の本棚では、ふたりの捨之介が
不敵に微笑んでおります。