こまりさんの、はらぺこ手帖

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

山内圭哉への長い道のり(2)

怪優。


…わからない。
この端正な侍のどこがモヒカン。
いや100歩譲って、というかむしろモヒカンと髷には
剃り込むという点でかなりの共通点があるとしてもだ。
折りよく薬の行商の途中で試衛館に立ち寄った土方歳三山本耕史)に
「(石田散薬は)おいくらですか」と折り目正しく尋ねたこの声で
どうやって放送禁止用語連発。


混乱してきたので、
これ以上深く知るのはまたにしようと決め、
そのときはそれで調査を打ち切ったのですが、
それから数ヵ月後、昔の舞台チラシを整理していたところ、
こんどは思いがけない1枚をみつけたのでした。


G2プロデュース『天才脚本家』(2001年)。
G2さんの演出作品にはほとんどはずれがないので、
これもぜひ観てみたいと思ってチケットを買ったにもかかわらず、
あろうことか日付けを間違えて見損なった
たいへん悲しい思い出の一作でした。
このチラシが、半券が切り離されないままの哀愁をたたえたチケットとともに
「残念ファイル」のなかに保存されていたのですが、
出演者名のなかにあったのです、
山内圭哉の4文字が。
なんということでしょう。
もしも無事にこの舞台を観にいっていれば、
もう3年も前に彼を観ることができたわけです。
どんな役だったんだろう。
やはりモヒカンで放送禁止だったのか。


軽いショック状態のまま「残念ファイル」をめくっていった私は
さらに驚愕しました。
出てくる出てくる、山内圭哉
『ダブリンの鐘つきカビ人間』『みつばち』『しかたがない穴』…
どれも、チケットを手に入れるまでにも至らなかった、
観たくても観られなかった作品ばかり。
なんということでしょう。
もしも無事にこの舞台をすべて観にいっていれば、
もう山内圭哉は、観客として「知っている」といっていい役者に
なっているはずだったのです。


(つづく)