こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

モ・クシュラ

映画『ミリオン・ダラー・ベイビー』。


フランキー(クリント・イーストウッド)が
マギー(ヒラリー・スワンク)にプレゼントした
ガウンにぬいつけてあった言葉
「モ・クシュラ」が、
いつしか彼女の愛称になります。


大声援を受けながら勝ち進む彼女を待っていたのは
想像もしなかった悲劇。
でも、それでも幸せだったのかな。


ヒロインの生活のすべてはボクシングのためで、
家に帰ったら薄給を全部ガラスの瓶に放り込んでるシンプルさ。
だけど、ぎすぎすしたところがまったくなくて、
むしろ鷹揚で品格すらあるのが彼女の魅力です。
こういういい子が、
あの映画史上屈指の最低家族から生まれた奇跡(笑)。
もうホントに強烈な家族だったねえ。
一家まるごと加害暴力型ニート、みたいな。
マギーは、亡き父親の良いところだけをひき継いだのか、
それとももしかしたら母親も
以前はあんな鬼っ母じゃなかったのかも。
「ママは変わったわ」という台詞がありましたし。


ともあれ、
あまりに厳しい現実のなかでもマギーがみせてくれる笑顔と
フランキーとスクラップ(モーガン・フリーマン)のほのぼのとした会話と
ちょっと(いや、かなり)足りないデンジャー少年の存在にホッとする。
音楽もいい。


クリントは、
ずいぶん優しい映画を撮ってくれるようになったですよね。