こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

嬉しいかぎり

ミュージカル『キャバレー』、
東京グローブ座にていよいよ始まりました。


エムシー役のニッキの、まあ、つけ睫毛が似合うこと!
80年代女性アイドルばりのダンスを披露し笑いをとりつつ、
実は彼のベースにある寂しげな雰囲気フルスロットルで哀愁を誘います。


サリー役の真矢みきちゃんは文句なくコケティッシュ、
岡本健一くんのクリフは無邪気でどこまでも愛らしい。
今陽子さんと上條恒彦さんもとてもとても優しくて、
このふた組のカップルの別れをみるのはどうにも辛いです。


今回のバージョンは元々のロンドン版をベースに置いていて、
2度来日しているブロードウェイ版ほどのショッキングさはありません。
猥雑さよりもファンタジックな感じを大事にしたいという
演出のグレン・ウォルフォードさんの希望のようです。
ただ、「ナチス」とか「ユダヤ」のニュアンスは、
台詞でもむしろ強調されていたように感じる。
すべての観客にわかりやすくるするには必要なことかもしれません。


「なんであの人最後パジャマで出てきたの?」
「さあ、これから寝るんじゃん?」


という類いの驚愕のミスリードを防ぐためにも…
萩尾瞳さんいわく、来日版『キャバレー』の終演後に、
ラストシーンについて若き観客のあいだで
実際に交わされていた会話だそうです(笑)。


ちなみに今回の日本版は、またこれとは違うラスト。
今日は客席でグレンさんも観ていたけど、
本番中、メモとりながら
通訳さんにめっちゃ話しかけておられたのは、
あれは今さらの駄目出しなのだろうか…?