おいけ
頂きものの「御池煎餅」。
京都烏丸にある老舗の銘菓。
小さな白い柔らかいお煎餅をひとつひとつ和紙で丁寧に包んであって、
味はなんとなくひなあられに似ています。
「御池煎餅」。気になるんだよねえ。
煎餅そのものはもちろん、名前の「御池」の部分が、
先日京都の地下鉄に乗っていて味わった
ある戦慄の瞬間を思い起こさせるのです。
その電車が烏丸御池(からすまおいけ)という駅に近づいたとき、
流れてきたアナウンスに私は耳を疑った。
からすまおいけ。
標準語感覚からすると、だいたい、
からすま おいけ
→↑↑↑ ↑→→
という感じのイントネーションになるのではなかろうか。
それが、実は
からすま おいけ
→↑→→ →↑↑
だったのである。
つまり、「からすま」でいったん終わって、
それから改めて「おいけ」がはじまる。
烏丸を「からすま」、御池を「おいけ」と読む時点で
既にある種の超越感があるのに、さらにこの響き。
京都だ…。
とすると「御池煎餅」の読み方は、
おいけ せんべい
→↑↑ ↑→→→
でいいのだろうか。
やっぱり「おいけ」でいったん終わって
改めて「せんべい」なのか。
あああ。気になる。