こまりさんの、はらぺこ手帖

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

新緑舞踊公演

鎌倉、っていうか大船まで行ってきました。
『五代目中村勘九郎 名跡最後の新緑舞踊公演』。


勘九郎さんは来年、亡きお父さまの「勘三郎」を襲名するので、
勘九郎って名前でやる親子会はこれで最後ですよ、
という意味の舞踊公演です。
息子さんや、ときにはお姉さま(波野久里子さん)と一緒に
全国をまわる舞台、もう13年も続いているんだそうです。


今回はお坊っちゃまたちが
それぞれソロナンバー(っていうのか)をひとつずつ。


幕開けは七之助くんの『藤娘』。
お約束のチョンパ。
まずは会場が非常灯も消した完全暗転になり、
かなり長いあいだ音だけが流れたあと、
チョン、と拍子木が鳴って、照明パッ!
どまんなかに大きな藤の木、下に藤娘。
その瞬間の「おおおおお〜!」という歓声がすごかったな。
七之助くん特有の、小悪魔的なお色気満載。


続いてお兄ちゃまの『供奴』。
吉原でモテモテの旦那にお供してきた奴(やっこ)が
「しまった遅れちゃったよ」と駆け込んでくる。
で、僕のご主人ってすごいんだから、とさんざん自慢をしたあと、
「しまったますます遅れちゃったよ」といってまた追っかけて行く。
勘太郎ちゃんって足腰が強いのかな、
舞台を踏みならすととても清々しい音がします。
しかもあのリズム感。
お正月のときの狐も圧巻だった。
いいよねえ、いろんなお役でどんどん観てみたい人です。


三幕目がお待ちかねの勘九郎さん登場で、
親子3人による『連獅子』。ラスト、
3人並んで長い髪をぶんぶんまわすところが
クライマックスなわけだけど、
前半の狂言師のとこの踊りも端正でとてもいい。
あと、崖に落とされ中の仔獅子が下手花道に並んで座り、
手をあわせて目を伏せてる図が非常に綺麗で印象的。


しかし、勘九郎さんの吸引力というか、
陽の魅力っていうのは実に観る者を幸せにしてくれる。
この人と同時代に生まれて、その舞台を観ることができるって
なんて恵まれてんだろう、なんて思いながら拍手しました。
その拍手が鳴りやまないのでご挨拶があったんだけど、
お父ちゃまがしゃべっているあいだ、
両脇に控えたふたりが妙に中途半端なおよび腰で様子を伺ってるのが
ものすごくかわいかった。