こまりさんの、はらぺこ手帖

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

カタワレさがし

パルコ劇場で三上博史主演、
ミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』観劇。
生エレキギターの大音量。
ジャーン!の瞬間に、隣の席のおじさんが
文字どおりとびあがっていた。


やがて客席後方のドアから、
大きな布で顔を隠し、
巨大な金髪のウィッグと
悪趣味極まりないビスチェドレスと
黒ハイヒールといういでたちで、ヘドウィグ登場。


すごい。すごいよ三上さん!


ベルリンの壁の東に生まれたヘドウィグは、
性転換手術に失敗、えーと…
「怒りの1インチ」が残ってしまったまま、
自分のかけらを探してシャウトし続けます。


歌いっぱなし、しゃべりっぱなしの<彼女>なのだが、
ほんのときどき素に戻ったり、
段取り間違えてあわてて言い訳してたりするのが
またライブっぽい雰囲気でいい。


そして、ついさっきまで
客席を「あんたたち」呼ばわりしていたくせに、
カーテンコールで<三上博史>に戻ったら
ものすごくシャイになっている三上さんがカワイイ。


映画を観ていないとすこしわかりづらい
(というか知っていたほうがわかりやすい)部分もある作品だけど、
ラストナンバーの「ミッドナイト・レディオ」が流れて、
映像で<男>と<女>のヘドウィグの姿が重なって
ひとつになったとき、
なんともいえずホッとしたというか、
温かい、居心地のいい気持ちになった。驚いた。
体に堪えるほどの大音量も、
ふと気づいたら途中で、ぜんぶこれに預けちゃえ〜
みたいな安心感に変わってた。


不思議な作品です。