こまりさんの、はらぺこ手帖

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

コールド・マウンテン

ゴールデンウィークに、よりによってすごい天気。
行楽地のみなさんは大丈夫でしょうか。


自分も、ビル風のいっそう激しい六本木にて
映画『コールド・マウンテン』を観ました。
アメリカが今まで関わった戦いのうち
唯一公然と恥じている南北戦争の一端を、
丁寧に、静かに描いています。


画面があまりアメリカ的ではないのは、
ロケ地がルーマニアだったからなのね。
しかも、ミンゲラ監督はじめ役者陣の多くも
アメリカ人じゃなかったりするのか。
そこらへんが客観性を生んでるのかもしれません。


南部の小さな村コールド・マウンテンに移り住んだ
牧師の娘エイダ(ニコル・キッドマン)と、
ほんのつかのま心を通わせた青年インマン(ジュード・ロウ)。
彼が前線へ赴いてまもなく戦争は激化。
父を病気で失い、たくわえも尽き、
インマンへの思いだけをよすがに毎日を暮らすエイダの元に、
ある日、生きる術に長けた
たくましい流れ者・ルビー(レニ−・ゼルウィガー)がやってくる。
ほぼ満席の客席の波長がやけにあっていて、
ルビー登場のシーンでその後ろ姿が写った瞬間
あちこちから「出た!」の声が(笑)。


インマンが軍隊を脱走して
コールド・マウンテンへ戻る旅の途中、
いろんな人びとに遭遇するんだけど、なかでも、
戦争未亡人セーラ(ナタリー・ポートマン)のシーンは辛い。
インマンは、危機的状況にあっても、
まだ子供にみえるような若い敵方を
できることなら逃がしてやりたいと思ってしまう。
戦場で、同じ村からきた若者を死なせてしまったことを
ずっとひきずっていたのかもしれません。


生死の前には、北も南も、敵も味方もない。
そういう、ほんとうはいちばん単純なことを
人はどうして簡単に見失ってしまうのか。