こまりさんの、はらぺこ手帖

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

宝石だいすき

恒例の雑誌発売日。
雑誌をかついで編集部界隈の本屋をまわりながら、
デモ行進の声をきく。
そういえば去年もメーデーに書店納品したなあ。


夜は国際フォーラムで『キャンディード』を観劇しました。
ヴォルテールの原作をバーンスタインがミュージカル化。
宮本亜門さん演出。
ミュージカルとオペラとのあいのこみたいな風合いです。


純朴な青年キャンディード(中川晃教)は、
家庭教師の「この世は最善である」という教えを信じて
幸せに暮らしているんだけど、
家を追い出されて世界中を旅するうちに、
戦いや人間のエゴ、
あらゆる醜いものを目のあたりにして成長していきます。


で、最後は「愛するクネゴンデ、僕たちはこれから畑を耕そう」で終わる。


先月、出演者某3名の対談で
「なんで結論が農耕なんだろうねえ〜」
「でも、つきつめた結果農耕ってひと、わりといるみたいだよ」
「うちの親戚もそうだよ」
「へえ〜!」
とか語られていたのを思いだしました。


あっというまに世界中を旅してしまうあたり
だいぶおとぎ話的なんだけど、
楽天主義(optimism)から悲観主義(pessimism)への転換を
経験したことのある人には、
非常についていきやすい物語だと思う。


ヴォルテールって、
基本的には悲観主義寄りの人だったんだろうか。
悲観主義的な物語を、楽天的風に描いてるもんねえ。


若きマエストロのD.C.アベルさんは、
出てきておじぎして最初のひとふりまでがものすごい速くて、
そこでぐっと掴まれる感じがあった。
中川くんの稀有なピュアさはまさにキャンディード。
クネゴンデ役の幸田浩子さんはちっちゃい藤原紀香さんみたい。
「こんなところに売られてなんて不幸せな私、
 でも宝石だいすきロホホホホ〜♪」
みたいな歌がおもしろかった!


あと、狂言まわし=ヴォルテール役の辰巳琢郎さん。
舞台姿、初めて観ました。
『少女になにが起こったか』時代から変わらない、
鼻づまり系なのにやけにはっきりした発音に感激。
立派なお顔だちなのだから、
あの茶色のシャドウなくて十分な気がする!