こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

1、2、3、4、5。

…6、7、8、9、10。
主人公がたびたび繰り返したあのカウントは、
なにを意味してたんだろう。


パルコ劇場にて『ベント』観劇。


ナチ占領下、ピンクの三角形をつけ、
収容所で最下級の扱いを受けていた同性愛者たちの物語。
愛すること、愛されることに麻痺していた
快楽主義のマックス(椎名桔平)が、
極限状態のなか、ホルスト遠藤憲一)との出会いを経て
大きく変わっていく姿が描かれます。


マックスと恋人たちの別れは、
どれも権力側の「絶対的な気まぐれ」によって
突然に、しかも残酷な形で訪れる。
今回、ラストシーンが
今までの映画や舞台上演とは違うものになっていて、
多少物議を醸しているようです。


テレビでいつも「怖い顔してんな」と思って見ていた
エンケンさんは、
台詞のひとつひとつがきっぱりしていて、
優しく、厳しく、刺さってくる。
ものすごく久しぶりの舞台だそうですが、
ちょっと信じられないくらい。
ちなみに、パンフレットのコメントによると
そのブランクの理由は、
一番最初にやった芝居のお稽古場が辛すぎて
トラウマになったんだって(笑)。
あのエンケンさんをそこまで凹ませたものっていったい…。