叱られ坊主
今週は劇場通いで嬉しい悲鳴。
締めくくりはシアター・サンモール
『叱られ坊主ーサトウハチロー物語』。
サトウハチローは「小さい秋みつけた」や
「りんごの唄」なんかを書いた詩人です。
その作品からは痩身で穏やかな紳士がイメージされるけど、
実は豪放で涙もろい天才、
(モーツアルト+ジャイアン)÷2みたいな人だったらしい。
退学、勘当を繰り返す、典型的な父と息子の確執。
一方で小さく、弱々しい母の存在が
よけいに幼い彼を苛立たせたようです。
しかしやがて彼女が離縁先の実家で亡くなってしまうと、
ほんとうは叱られたかった、
強く抱き締められたかったんだとハチローは泣きます。
男の子だね。
男の子といえば劇中の、
「黄昏の少年はひとさらいに怯えている。
そして、怯えながらそのひとさらいを待っている」
というのがなんともいえずショッキングでした。
あと、舞台本筋からははずれるけど、
パンフレットで出演者にメッセージを寄せていた
俳優の山本學さんの言葉。
「人の芝居が下手に見える時は、
自分が退化している時です。
私の経験です。忘れぬように」
決して忘れぬようにしたいです。