こまりさんの、はらぺこ手帖。

なんでもないようなことが、しあわせなんだとおもう。

国際こども図書館

上野谷中にお墓まいりに行った帰りに、
国際こども図書館へ。


もともと明治時代に帝国図書館だった建物を
改修・改築して、去年の5月、
日本初めての国立の児童図書専門図書館として
開館したそうです。


ルネッサンス様式ばりばりのとんでもなく浮き世離れした洋館で、
でも入り口のガラス部分なんかは妙に近代的。
ちょっとルーブル美術館みたいな感じかなー。


展示されていたのは、
戦後検閲を受けた児童図書や、
少年少女雑誌、こども新聞の数々。
GHQの歴史部部長だったプランゲ博士によるコレクションで、
普段はアメリカのメリーランド大学に
「プランゲ文庫」として所蔵されているそうです。
この文庫のアシスタントで近年亡くなった日本女性、
村上寿世さんの名前を冠して「村上コレクション」とも。


反米思想を連想するもの、
たとえば「牛を隠して」なんてのは隠匿物っぽいからだめだとか、
蟻たちがたちあがって蟻地獄と闘うとかいうのは
進駐軍への復讐心みたいだからだめだとか、
チェックされた箇所はすべて書き直して
出版しなければならなかった。
逆にアメリカをもちあげすぎてる部分にも、
ここダメです消して、って線がひいてあったのは実に興味深い。


黄ばんだ紙面にいまだ残る、
文字にしよう、出版しようという気迫。
それに、カッツカツな生活の中でもなお飄々として
ウィットをなくさない人間の強さ。


衝撃でした。